玄関から浴室までの廊下を全面フラット化で、家族の負担を大幅軽減
ご高齢のご家族が、自宅での転倒により歩行が困難になったことをきっかけに、バリアフリーリフォームを検討されるご家庭は少なくありません。
特に「自宅内での車椅子移動をスムーズにしたい」というご要望は多くお聞きします。
築年数の古い家屋は段差の多い家が多く、介助するご家族の負担も大きくなります。
今回ご紹介するのは、80歳のおじいさんの介護を機に、玄関から浴室までの通路を全面的にバリアフリー化した事例です。
介護者であるご家族と一緒に現地を点検し、日常的に発生する悩み・不安をお伺いしながら打ち合わせをしました。
お施主さんのご要望
- おじいさん(80歳)が自宅で転倒して骨折したことを機に歩くことが困難になり、移動の際には介助が必要となった
- 現状、トイレはポータブルトイレではなく、通常のトイレを使用(トイレが間に合わなかった場合に備えて、念のために紙パンツを併用)
- 入浴は週に3~4回程度
- おじいさんをトイレや浴室まで連れていく際、車椅子に座ってもらったほうが、介助する家族もおじいさんも楽なはず
- でも、通路の床が傷んでいて割れそうで、おじいさんを乗せた車椅子で廊下を通るのが怖い
- 外出時は、家族がおじいさんを抱えて玄関まで連れていき、玄関の外に出てから車椅子に乗せている
- 居室から玄関まで、おじいさんを車椅子に乗せた状態で移動し、スロープを渡して外に出られるようにしたい
- 結論、居室から玄関・トイレ・浴室までの通路の床を、バリアフリーにしてほしい
改修前の状態
- 築年数が古い(52年)一戸建て
- 通路は、玄関 → 洗面所 → トイレ → 突き当たりが浴室という配置
- 床には、①玄関から洗面所まで、②洗面所からトイレまで、③トイレから浴室まで、の各区間を区切る框(かまち)があり、それぞれの区間ごとに、床の高さが全てバラバラだった
- 洗面所からトイレまでの区間には床下収納庫が2か所あり、その影響で床がブカブカしており、いつ床が抜けてもおかしくない状態だった
改修後
- 玄関から→洗面所→トイレ→突き当たりの浴室まで、この区間の全ての段差をなくし、玄関から浴室までの廊下を全面フラットに(バリアフリー化)
- 玄関右側にある居室から、トイレ・浴室まで要介護者を乗せた車椅子での移動を可能に
- 外出時・帰宅時に、おじいさんを乗せたまま車椅子が通れるように、開き戸(扉)を撤去


工事費用
バリアフリー工事(床段差解消)+クッションフロア仕上げ
今回、このお施主さん宅の工事にかかった費用は、35万円です。
※ この価格は、当該住宅の状態で施工した際のものです。実際に施工する家の築年数や状態、お施主様のご希望(使用する床材・建材など)によって変動いたします。
このリフォームにより、居室から玄関・トイレ・浴室まで、車椅子に乗ったままスムーズに移動できるようになり、おじいさんの外出も楽になり、介助するご家族の身体的・精神的負担も軽減。
「もっと早くやっておけばよかった」とお喜びの声をいただきました。
小さな段差が大きなリスクを生む前に、バリアフリー化を検討してみませんか?
住み慣れた我が家で、いつまでも安心して過ごせる環境を一緒に作りましょう。

高齢者が自宅でアクシデントで亡くなる率が高い原因リスト
高齢者の死亡原因として、交通事故よりも家庭内の不慮の事故が上回っていることをご存知ですか? 消費者庁のデータによると、65歳以上の不慮の事故による死亡は、交通事故の約4倍。特に自宅内での事故が大半を占め、転倒や溺水などが主な原因になっています。これらは、自宅の環境改善でリスクが下がるものも多くあります。各項目について、ご家庭でできる対策や、井上工務店がお手伝いできる対策工事について深掘りしています。
| 順位 | 原因 | 死亡数 (65歳以上) | 詳細と予防のポイント | 関連シリーズ記事リンク |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 転倒・転落・墜落 | 約9,800人 | 主に同じ高さでのつまずきや滑り(85%)。階段や段差が原因。 高齢者の骨折起点に。 | 転倒防止のためのバリアフリーリフォーム |
| 2位 | 不慮の溺死及び溺水 | 8,270人 | 浴槽内が約80%(6,541人)。 ヒートショック関連が多い。 | ヒートショックを防ぐための具体的な対策 |
| 3位 | 不慮の窒息 | 7,779人 | 食べ物の誤嚥が半数以上。 高齢者の咀嚼力低下が要因。 | キッチン・ダイニングの安全設計 |
| 4位 | 煙・火・炎への曝露 | 約1,000人 | 火災や調理中の事故。 暖房器具の不備。 | 火災防止のための換気・暖房工事 |
| 5位 | 偶発的中毒 | 約500人 | 薬や化学物質の誤飲。 収納の乱れが原因。 | 収納・照明の安全改修 |
| 6位 | 階段からの転落 | 約450人 | 手すりなしや照明不足。 | 階段・廊下の手すり設置 |
| 7位 | 建物からの転落 | 約500人 | 窓やベランダからの事故。 | 窓・ベランダの安全柵工事 |
| 8位 | ベッド・椅子からの転落 | 約500人 | 寝室のレイアウト不良。 | 寝室のバリアフリー化 |
| 9位 | 熱中症・低体温 | 約500人 | 室内温度管理の失敗。 | 空調・断熱全体リフォーム |
| 10位 | その他の機械的損傷 | 約500人 | 家具の転倒など。 | 家具固定・耐震対策 |
※データソース: 厚生労働省「令和5年人口動態統計(確定数)」。推定値は全体傾向から算出。家庭内事故総死亡: 16,050人(交通事故の約4.5倍)。


