【施工現場レポート】大手では断られる?老朽化した工房を丸ごと守る「カプセル工法」の全貌!

今日は、先日インタビューさせていただいたMさんの現場(工房の修繕工事)について、詳しくレポートします。

インタビュー記事はこちら

Mさんは、染物や一点物の革製品を制作なさっている職人で、ご自宅のそばに秘密基地(工房)を持っておられます。そのMさんからいただいたご相談が、とても切実なものでした。

実際に現場を見せていただくと、その言葉通り、建物は悲鳴を上げている状態でした。

工房は木造で、外壁がめくれて剥がれ落ち、屋根のトタンは錆びついて所どころ穴もあいており、雨風が容赦なく建物を揺らす状態でした。

お施主さんとこの工房の中で話をしていた時、ちょうど突風が吹いたんですが、体感で「震度3強」ぐらいの地震が来たんちゃうか!?っていうぐらい揺れてました。

ここで、痛恨の一撃を告白|ू -ᾥ- ):

施工当時、井上工務店はこのホームページを持ってませんでした。

施工棟梁は、iPhoneを黒電話 or 高級目覚まし時計みたいな使い方をしているもので「写真を撮る」という習慣が無く「施工前(ビフォー)」の写真を撮っていませんでした。

しかし、このあとでご紹介する「施工後(アフター)」の写真をご覧いただくと、新しい波板の下に、ボロボロの古い壁がうっすら透けて見えているのがお分かりいただけると思います。

透けて見えてるこの感じから、元の状態がいかにギリギリだったかということをお察しください。笑

目次

業界の常識 vs お客さまの現実

通常、ここまで傷んでしまった建物を直す場合、建築業界の「セオリー」はこうです。

  • 既存の壁や屋根を一度全部めくる
  • 下地からやり直す
  • 左官工事+外壁塗装 もしくは、サイディング工事
  • 屋根の張り替え

大手ハウスメーカーや外壁塗装専門店に相談すれば、間違いなくこの「王道の工事」を提案されるでしょう。「これ以外に解決策は無いですよ」と言われるかもしれない。

そしてそれはもちろん間違ってない。正攻法やし、見た目も新築の時みたいに綺麗になる。

でも、それをやろうと思ったら、まぁまぁ結構な費用がかかる。

今回のMさんのご希望は、

  • なんとかせなマズイってのは分ってるけど、多額の修繕費用はかけられない。
  • そして何より、自分が現役で仕事をしている間(あと10年〜15年ぐらい)さえ、この建物が持ちこたえてくれればそれでいい。

という、明確なゴールがありました。

施工棟梁の、閃きと提案

そして、主人が即答で提案したのが、誰も思いつかないような方法でした。

「壁も屋根もめくらんと、建物ごと『ポリカ波板』で囲ってしまいましょか」

つまり、壁と屋根をめくって下地からやり直すのではなく、今ある建物の上から、すっぽりと新しい素材でカバーしてしまうんです。イメージとしては、建物に新しい「ジャケット」を着せてあげる感じですね。

屋根: 錆びたトタンの上から波板を張って、新しい屋根代わりにする。
外壁: 崩れかけた壁の上から波板で覆って保護する。

この「ポリカ波板」の耐候年数は、一般的に10年と言われてますけど、使用環境によっては、うまくいけば20年近く持ちます。

Mさんはその当時70歳。

「この先、自分が生きて動いて、仕事をしている間だけ持てばいい」

というご要望ですから、この「10〜20年」という期間は完璧なアンサーです。

下地からやり直す高額な工事ではなく、今の建物を「カプセル」のように守って延命させる。

ただし、見た目は「波板」ですから、そら、好みが分かれるところかもしれません。でも、この方法なら工期も短く、費用は「王道」よりも劇的に抑えられます。

「そんな工事、邪道や」と、笑う業者さんもおられるかもしれません。

ですが(手前味噌ですけど)、主人は常日頃からこう言ってます。

「王道」を押し通すことは、必ずしも全てのお施主さんにとっての「正解」ではない。

という考え方で、一軒一軒の現場に向き合っています。

そして、王道「以外」の方法であっても、現場の状況・お施主さんのご希望にとっての最適解を模索できること。それこそが、技術×経験値×柔軟な発想を持つ職人のなせるワザだと自負しています。

「どこがどう傷んでいて、どう囲えば強度が保てるか」が見えているからこそ、提案できるんです。

結果とお客さまの声

完成した工房を見て、Mさんはものすごく喜んでくださいました。

「これで十分や!これで安心して仕事が続けられる!」

お施主さんからそう言っていただけたこと。それが、一番嬉しい瞬間です。

Mさんにとって重要だったのは、見た目にこだわるよりも「今の自分にとって必要な機能」と「出せる予算」のバランス。お施主さんのご要望に合わせて一緒に考え、解決策を捻り出す。

それができるのは、マニュアル通りにやらなくても上司に叱られない、私たちのような「小さな町の工務店」ならではの強みです。

もし、あなたが、

  • 他社では無理だと言われた
  • 到底払えないような高い見積もりを出されて諦めかけている
  • 予算内でなんとか工夫してくれる大工、居てへんやろか

というお悩みがあれば、ぜひ一度ご相談ください。

私たちは、あなたの「人生を逃げ切りたい」を応援するために、全力で知恵を絞ります!

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この記事の著者

雑用って、誰かがやらなきゃ回らへんこと。誰かの「気になる」を先回りして整えること。それを雑と呼ぶのはちょっともったいない。ほんまは一番大事なことかもしれん。(と思わなやってられん笑)

施工棟梁(次男)のヨメである雑用女将は、それを「場をつくる仕事」やと思ってます。木と人との暮らしのあいだにある、見えへんものを整える。そんな思いで今日も馬車馬のごとく働いてます。

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