「直す、捨てる、整える。」で、人生の最終章の舞台をつくる
「終活」という言葉が、少しずつ日常に浸透してきました。けれど、その実態はまだまだ「重要な書類の整理」や「相続の準備」といった、事務処理が多いと思います。
これらはこれらで、大切なことやと思います。やっておくのと、やっておかないのとでは、残された遺族の大変さが全然違います。
井上工務店が取り組んできた終活サポートは、そういった手続きに関することではありません。単なる「片付け」や「不要品撤去」ではなく、もっとずっと「暮らし」に寄り添うもの。
それが、「直す、捨てる、整える」この3つです。
それは、人生の最終章を生きる人の舞台となる「家」を整えること。
直す。(その人に合わせて、家を調整する)
年齢を重ねると、関節可動域も狭くなり、身体の動きも変わってきます。
どれだけ気を付けていても、思うようにいかなくなることが日常的に増えてきます。
今までは「ここに段差がある」ということに注意して通っていた廊下も、足が上がらなくなってきたことによって、転倒する。こういうリスクが上がってきます。
年齢的なことで、自分が家に合わせられなくなったのなら、建て替え、住み替えもひとつの選択肢ですけど、
今までは、自分が家のつくりに合わせて(注意して)動いていたこと、それが、できなくなってきたなら、今度は家に、自分の体調に合わせてもらえるよう、直してみましょ?
こういう考え方で、井上工務店では、
- 手すりの設置、段差の解消、スロープの施工
- 建具の調整、付け替え
- トイレ・浴室の安全設計
- 収納スペースの最適化
- 照明の見直し
- 重たい家具やベッドの移動・移設
- 介護が必要になったとき、ご家族やヘルパーさんが動きやすい設計に
などなど、お施主さんのその時々の状態とご希望に合わせて身体にやさしい動線をつくり、家をお施主さんに寄り添わせるように調整することを心掛けています。
捨てる。(残すことは、選ぶこと)
私が、井上工務店の一員として、初めて深く関わらせていただいたお施主さんの話なのですが、その方が、生前にこんなことをおっしゃっていました。
「私が死んだあと、遺品まみれやと子どもや孫に迷惑をかけるからね。今でもなんだかんだと世話かけてんのに、死んだあとまで迷惑かけよるわ。って思われたくないからね。立つ鳥跡を濁さずやね。」
この言葉が、今も心に残っています。
井上工務店では、そんなお施主さんの目となり、耳となり、手足となる生前整理をお手伝いしています。
- 店舗付き住宅の店舗用品の撤去
- 農家の農具の処分
- 家具の解体・処分
- 不用品の分別・搬出
- リフォーム前の片付け支援
- 大量にある写真をデータ化(お気に入りの数枚だけを手元に残し、あとはDVD保存)
必要なものだけを残し、不要なものは潔く手放す。
「捨てる」という行為は、過去と向き合い、ほんまに残すべきものだけを選ぶことであり、未来に向けて身軽になるための大切なステップ。井上工務店は、そこに寄り添います。
整える。(残された人のために、空間を整える)
「整える」とは、死を迎える準備であると同時に、 その後を生きる人が安心して暮らせる「新しい日常」の準備でもあります。お施主さんの人生の、舞台の幕が下りたあとも、誰かがその空間を引き継げるように。
- 店舗付き住宅の、店舗だった部分を居室に改修する
- その後も遺族が住めるよう「残された人のため」に整えておく
- 葬儀の際に使う遺影に、お気に入りの写真を使ってもらえるよう先撮りしておく
- 最後の時がきたら、大掃除・遺品整理もお手伝い
井上工務店は、お施主さんのご要望に応じて住空間を整えることで、お施主さんの心も、ご遺族の心も整えることができるよう、お手伝いをしています。
終活は、人生の最終章の舞台づくり
井上工務店の信条である、
ある「家」の、最初から最後まで。
に沿った、私たちが提供する終活サポート。それは、
「直す、捨てる、整える。」
この三つの柱を通して、私たちはお施主さまの人生に深く関わってきました。
お施主さんが、人生の最終章を、主役として生き抜くための「舞台づくり」と、その舞台が終わったあとも、誰かが安心して引き継げるように整えること。
それが、私たちの使命だと思っています。

