「安いほうがいい」に潜む落とし穴
私たちは、万人向けの工務店ではありません。
- とにかく安く済ませたい
- とにかく早く終わらせたい
- とにかく有名なところに頼んだら安心だと思っている
- とにかく「今だけキャンペーン」に惹かれている
というような「とにかく」を求める方には、私たちは向いていないかもしれません。
井上工務店は、決してぼったくりなんていたしておりません。
けれど、安売りもしていません。
家の工事に関する安売りのしわ寄せって、どこに来ると思いますか？？
使用する部材を安価な物にするか、職人の給料を削るかの二択です。
ニュースでよくある欠陥住宅や突貫工事による問題も、部材か、職人の給料か、このどちらかを安く済ませることが原因であることがほとんどです。
安さは、一瞬の親切。
会社にお勤めの方なら、こんなシーンを想像してみてください。
朝礼で、社長が皆に言いました。
お客様は安くするとお喜びになる。だから我が社は、この仕事を30％引きで受けてきた。その値引き分は、皆さんの給料から差し引くことにする。今日もよろしく頼むよ。
と、こんなことを宣言されて、やる気、出ます…？笑
おそらく、やる気は30％OFFどころか、ゼロ以下になるかもしれません。なんならもう帰ったろかなと思うかもしれない。笑
でも、住宅業界では、これと同じようなことが、実際に起きています。
安売りで工事を請け負えば、そのしわ寄せはどこに行くか。
答えはシンプルで、
「使う材料を安くする」か
「職人の手間賃を削る」か、に直撃します。
そして、職人の手間賃が削られれば、彼らは「この現場は適当に早く終わらせて、さっさと次に行こう」と考えるようになります。結果、手の入れ具合も30％カットされ、仕上がりも粗くなる。
これが、いわゆる「手抜き工事」の正体です。
だから私たちは、工事の安売りはしません。それは、井上品質を下げることにつながり、ひいては井上工務店の評判を、自分たちの手で壊すことになるからです。
でも、誤解しないでください。
私たちは、法外な値段を提示するようなことはしません。
井上工務店がご提示するのは「職人がきちんと手をかけられるだけの、適正な価格」です。
井上工務店が提示した価格を「高いなあ」と感じられる方も、正直いらっしゃいます。
でも一方で、
「え？この値段でやってくれるの？」
「親切価格で助かるわ」
とおっしゃってくださる方も、たくさんおられます。
そこは人それぞれの価値観や金銭感覚がありますから、反応も人それぞれです。私たちは、それを否定しません。
ただひとつだけ、知っておいていただきたいのは、繰り返しとなりますが、
- 私たちは、ぼったくりは一切していません。
- 職人のやる気を削ぐような技術料の安売りもしていません。
- 井上品質を守ることができる、適正価格を提示しています。
それが、私たちの信念です。
部材のグレード選びは、眼鏡のレンズ選びと似ています。
使用する部材については、どのランクの物を使うかを、お施主さんと相談して決めます。
たとえば、眼鏡を作る時なんかでも同じです。
眼鏡屋さんは、自分の視力に合わせて眼鏡を作ってくれますが、
その眼鏡をかけたら「ちゃんと見える」という本来の目的は果たせるものの、レンズにはグレードの違いがあります。
- 松 … 超軽量・極薄レンズで、見た目も使用感も最高級。ただし高額。
- 竹 … 超軽量レンズだけど、厚みはそれなりにある。価格は中くらい。
- 梅 … 重さも厚みもあるけれど、視力矯正という目的は果たせる。最も安価。
どれを選んでも「見える」ことには変わりません。
でも、見た目のお洒落感や、かけ心地の快適さ、長時間使ったときの疲れにくさなど、使い続ける中での満足度には、やっぱり差が出てきます。
家づくりも、これと同じです。
構造材や断熱材、外壁材、床材、屋根材、建具、サッシ、窓ガラス、照明、キッチン、風呂、トイレ…メーカーが製造している建築資材は、どれも「最低限の目的や基準」はクリアしています。
でも「値は値」であり、グレードが上がると値段もアップします。
「どこに・どれだけ・こだわるか」は、お施主さんの価値観次第です。
私たちは、無理に高いものを勧めることはしません。
しかしながら、
「この部材は一番安いもので大丈夫ですよ」
「この部材は、1ランク上のこっちを選んだほうが良い」
「どこにどう影響するのか」
ということは、 職人目線でしっかりご説明します。
その上で、あなたのご予算とご希望のバランスを見ながら、最適な「レンズ」を一緒に選ぶ。
そうやって、お施主さんと共に工事内容を組み立てていくのが、井上工務店のスタンスです。
